貧困から31歳で億万長者へ|海外FIRE夫婦クリスティ・シェンの「人生を全部計算する」生き方
Business Insiderで、あるFIRE夫婦が紹介されていました。
カナダ人夫婦のクリスティ・シェンとブライス・レオンです。
2人は30代前半で100万カナダドル、日本円で約1億円を超える資産を築いて経済的自立を達成。会社を辞め、世界中を旅しながら暮らす生活を始めました。
これだけを聞くと、
「ITエンジニアの高収入夫婦だからできたんでしょ」
「夫婦2人で稼いでいたから特別だよね」
と思う人もいるかもしれません。
確かに、2人ともIT業界で働き、夫婦で高い収入を得ていたことは大きな強みでした。
しかし、この夫婦の話を「高収入だったからFIREできた」で終わらせてはいけません。
クリスティは中国の貧しい農村部に生まれ、8歳のときに家族でカナダへ移住しました。
大学の専攻は、憧れやイメージだけで決めていません。
学費はいくらかかるのか。
卒業後にいくら稼げるのか。
何年で学費を回収できるのか。
それを計算したうえで、コンピューター工学を選びました。
家を買うか、投資するかも、世間の常識や親の意見だけで決めませんでした。
FIREに必要な金額も、海外を旅しながら暮らせるかどうかも、すべて実際の数字を使って判断しています。
私は、2人の著書『FIRE 最強の早期リタイア術』を実際に買って読みました。
この本を読んで一番印象に残ったのは、この夫婦は運よくFIREできたわけではないということです。
大学、仕事、住居、投資、退職後の生活まで、人生の重要な選択をすべて数字にしていました。
この記事では、クリスティ・シェンとブライス・レオンが自由を手に入れるまでに、何を考え、何を計算してきたのかをたどります。
クリスティ・シェンとブライス・レオンとは?
中国系カナダ人のエンジニア夫婦
クリスティ・シェンとブライス・レオンは、カナダの大学でコンピューター工学を学んだ夫婦です。
2人は大学の実験室でパートナーになったことをきっかけに出会いました。
卒業後は、トロントのIT・ソフトウェア業界に就職。
クリスティは主にWeb開発、ブライスは半導体の設計に関係するソフトウェア開発に携わり、約9年間エンジニアとして働きました。
その後、30代前半で経済的自立を達成。
会社を辞め、世界中を旅しながら暮らす生活を始めます。
2人は自身のブログ「Millennial Revolution」で、資産形成、インデックス投資、FIRE後の取り崩し、海外生活などについて発信しています。
2019年には、2人の経験とFIREの方法をまとめた『Quit Like a Millionaire』を出版。
日本では『FIRE 最強の早期リタイア術』というタイトルで発売されています。
100万カナダドルで経済的自立を達成
2人は、自分たちの年間生活費を約4万カナダドルと計算しました。
そして、FIREでよく使われる「4%ルール」を参考に、年間生活費の25倍にあたる100万カナダドルを目標資産に設定しました。
年間4万カナダドル × 25 = 100万カナダドル
何となく「1億円くらいあれば安心だろう」と決めたのではありません。
自分たちが一年間にいくら使うのかを把握し、そこから仕事を辞めるために必要な金額を逆算したのです。
経済的自立を達成した2人は30代前半で会社を辞め、世界旅行へ出発しました。
その後も投資資産を中心に生活を続けています。
Business Insiderが確認したポートフォリオによると、FIRE後の純資産は2倍以上になったと報じられています。
クリスティは中国の貧困家庭から始まった
一日44セントほどで暮らした幼少期
クリスティは、中国の農村部で生まれました。
本人が英語のインタビューや著書で語っているところによると、家族が一日44セントほどで生活していた時期もあったそうです。
欲しいものを自由に買える環境ではありません。
限られた食料や日用品を大切に使わなければ、生きていけない生活でした。
彼女にとって、お金はおしゃれなものや欲しいものを買うためだけのものではありません。
自分と家族が生き延びるためのものでした。
幼い頃に貧困を経験したことが、その後の強い危機管理意識や、数字を使って人生を判断する姿勢につながったのだと思います。
8歳で家族とカナダへ移住
クリスティは8歳のとき、家族と一緒にカナダへ移住しました。
カナダで初めてコカ・コーラを買ってもらったとき、彼女は「自分たちは豊かになった」と感じたそうです。
飲み終わった空き缶も捨てず、歯ブラシ立てとして大切に使いました。
初めておもちゃ屋へ連れていってもらったときも、高いぬいぐるみではなく、安いものを選びました。
そして残ったお金を、中国にいる家族へ送ってほしいと父親に頼んだと報じられています。
まだ子どもだった頃から、彼女は「限られたお金をどこに使えば、最も大きな価値を生み出せるか」を考えていたのです。
父親が教えた「二度と貧困に戻らない」という意識
クリスティによると、父親は飢饉や労働収容所、深刻な貧困を経験しています。
家族にとって、カナダへの移住は人生を変えるほど大きなチャンスでした。
だからこそクリスティには、「この機会を絶対に無駄にしてはいけない」という強い意識がありました。
彼女の本来の夢は、作家になることでした。
しかし、貧困に戻ることへの恐怖を抱えていた彼女にとって、収入が不安定になる可能性のある道を選ぶことは簡単ではありません。
まず、二度と貧困に戻らないための経済的な安全を作る。
その後で、本当にやりたいことをする。
この順番が、その後の大学選び、キャリア、投資、FIREにつながっていきます。
作家になりたかった彼女がコンピューター工学を選んだ理由
夢だけで大学の専攻を決めなかった
クリスティの夢は、文章を書くことでした。
しかし、作家として安定した収入を得られる保証はありません。
大学へ進学するには、高額な学費と何年もの時間が必要です。
高い学費を払っても、卒業後の収入が低ければ、学生ローンの返済だけで何年も苦しむ可能性があります。
そこで彼女は、大学の専攻ごとに学費と卒業後の収入を比較しました。
学費はいくらかかるのか。
卒業後の初任給はいくらか。
何年で学費を回収できるのか。
その結果、費用に対して高い収入を期待できるコンピューター工学を選びました。
「好きだから」「有名な大学だから」「肩書きが立派だから」という理由だけではなく、経済的自立につながるかどうかで判断したのです。
独自のPOTスコアで教育のリターンを計算
クリスティとブライスは、学位の価値を比較するために「POTスコア」という考え方を紹介しています。
POTは「Pay Over Tuition」の略です。
基本的には、卒業後に期待できる収入の増加を、学位取得に必要な学費で割って計算します。
より正確には、次のような考え方です。
POTスコア=(卒業後の初任給−最低賃金で得られる年間収入)÷学費総額
この数字を見ることで、支払った学費に対して、自分の収入をどれだけ増やせるのかを比較できます。
医師や弁護士のように高収入と思われている職業でも、大学や大学院の学費が高く、資格取得までに長い年月がかかれば、投資回収に時間がかかります。
反対に、短い期間で取得できる技術や資格のほうが、費用対効果に優れる場合もあります。
もちろん、すべての人が収入だけで進路を決める必要はありません。
しかし、学費を借金で支払うのであれば、卒業後にいくら稼げるのか、何年で返済できるのかを確認することは非常に重要です。
大学や資格は、買って終わりの肩書きではありません。
将来の収入を増やすための投資でもあるからです。
工学部のCo-op制度も活用した
クリスティは、コンピューター工学のCo-op・インターン制度も活用しました。
通常の授業だけでなく、在学中に企業で働き、実務経験と収入を得る仕組みです。
Co-opを利用したことで卒業までの期間は長くなりましたが、在学中の収入で学費や生活費の一部をまかなえました。
さらに、卒業時には約2年分の実務経験を持っていました。
ほかの新卒者よりも早い段階で仕事の経験があり、就職活動でも有利になります。
彼女は大学を、ただ学歴を買う場所として利用したのではありません。
学びながら収入を得て、就職後の収入まで高めるための投資として活用したのです。
高収入になっても生活水準を上げなかった
夫婦の最高年収は約16万カナダドル
卒業後、2人はIT業界のエンジニアとして働きました。
夫婦の合計年収は、最も高いときで約16万カナダドルだったと報じられています。
しかし、収入が上がっても生活水準を大きく上げませんでした。
FIREを本格的に目指す前から、収入の30〜50%を貯蓄。
最終的には、貯蓄率を最大70%まで引き上げました。
FIREできた理由は、高収入だったことだけではありません。
高い収入があっても、それを全部使わず、資産へ変え続けたことが重要だったのです。
質素な1ベッドルームに住み続けた
昇進や昇給をしても、2人は広くて豪華な家へ引っ越しませんでした。
質素な1ベッドルームの賃貸住宅に約10年間住み続け、家賃もほとんど変わらなかったそうです。
車も所有せず、食事は自炊。
住居費、交通費、食費という、家計の中で最も大きくなりやすい3つの支出を抑えました。
毎日コーヒーを我慢するような、小さな節約だけでFIREしたわけではありません。
生活全体への影響が大きい支出を選び、そこを徹底的に管理したのです。
旅行だけは削らなかった
2人は何もかも我慢したわけではありません。
旅行は、2人にとって絶対に削りたくない支出でした。
FIREを目指していた時期も、年間5,000〜1万ドル程度を旅行に使っていたといいます。
自分たちの幸福につながらない支出は減らす。
しかし、本当に大切な旅行にはお金を使う。
クリスティは、FIREについて「最小化ではなく最適化が重要」という考え方を伝えています。
私も、この考え方にはすごく共感します。
FIREは、人生から楽しみを全部削ることではありません。
自分にとってどうでもいいものに使うお金を減らし、本当に大切なものへ集中させることです。
何のためにFIREするのか分からなくなるほど我慢しても、長くは続きません。
50万カナダドルを家ではなく投資へ回した
当初はトロントで家を買う予定だった
2人も最初からFIREを目指していたわけではありません。
当初は、トロントで家を買う予定でした。
中国系の家庭では、持ち家を重視する考え方が強く、両親からも住宅を購入するよう勧められていました。
2人は住宅購入の頭金として、約50万カナダドル(1カナダドルは約112円〜114円です。
50万カナダドルは、レートによって約56,185,000円から57,000,000円前後になります。 [1, 2])
を銀行口座に貯めました。
しかし、トロントの住宅価格は上がり続けます。
貯金を増やしても、家の価格がそれ以上のスピードで上がっていく。
そこで2人は、本当に家を買うことが正解なのか疑問を持ち始めました。
「家を買うのが普通」という常識も計算し直した
2人は、持ち家を感情や世間体だけで判断しませんでした。
- 住宅の購入価格
- 住宅ローンの利息
- 固定資産税
- 修繕費
- 売買にかかる手数料
- 資金を投資できなくなる機会損失
- 賃貸住宅に住み続けた場合の家賃
こうした費用を比較した結果、住宅購入よりも、賃貸住宅に住みながら投資を続けるほうが、自分たちの目的に合っていると判断しました。
家を持つこと自体が悪いわけではありません。
大切なのは、「大人になったら家を買うのが普通」と思い込まず、自分の人生にとって本当に必要なのかを計算することです。
頭金を低コストのインデックスファンドへ
2人は、銀行口座に置いていた住宅購入資金を投資へ回しました。
投資先は、一発逆転を狙った個別株ではありません。
VTIをはじめ、カナダ株、米国株、米国外の株式などへ投資する、低コストのインデックスファンドを中心とした分散ポートフォリオです。
税制優遇口座も最大限に活用しました。
市場全体へ幅広く投資し、コストと税金を抑えながら資産を増やす。
その結果、数年で100万カナダドルというFIRE目標へ到達しました。
100万カナダドルというFIRE目標も計算した
年間支出は約4万カナダドル
2人が最初に行ったのは、自分たちが一年間にいくら使っているのかを把握することでした。
FIRE後に必要な生活費を、年間約4万カナダドルと設定。
何となく大きな金額を目標にするのではなく、自分たちの生活費から必要資産を逆算しました。
FIREに必要な金額は、人によって異なります。
年間200万円で暮らす人と、年間1,000万円使う人では、必要な資産が同じになるはずはありません。
最初に確認すべきなのは、他人の資産額ではなく、自分の生活費なのです。
4%ルールで年間生活費の25倍を算出
2人が利用したのが、4%ルールです。
資産の約4%を毎年取り崩す考え方から、年間生活費の25倍を目標資産として計算しました。
年間4万カナダドル × 25 = 100万カナダドル
目標が数字で明確になれば、あといくら必要なのか、毎年どのくらい資産を増やせばよいのかを確認できます。
FIREできるかどうかを感情で判断するのではなく、達成条件を数字で決めたのです。
ただし、4%ルールは将来を保証するものではありません。
運用期間、投資先、税金、手数料、インフレ、相場の状況などによって、結果は変わります。
相場下落にも備えた
『Quit Like a Millionaire』では、FIRE直後に相場が下落するリスクへの備えも紹介されています。
その一つが「Cash Cushion」です。
相場が悪いときに株式を安値で大量に売却しなくてもよいよう、一定額の現金を持っておきます。
もう一つが「Yield Shield」です。
配当や利息など、保有資産から得られる収入を活用し、資産の売却額を抑える考え方です。
一つの計算を信じて、「100万カナダドルできたから絶対に大丈夫」と考えたのではありません。
計画どおりにいかなかった場合の対策まで考えていました。
彼女たちの特徴は、楽観的な予想だけではなく、失敗する可能性まで数字に入れていることです。
世界旅行も「計算したらカナダより安かった」
最初は一年だけ旅する予定だった
FIRE後、2人は記念として世界旅行へ出発しました。
最初から一生旅を続けるつもりだったわけではありません。
一年間旅をしたあと、カナダの物価が安い地域に戻って暮らす予定でした。
2人は、世界旅行には年間7万5,000〜8万カナダドル程度かかると予想していたそうです。
ところが、一年後に実際の支出を集計すると、予想とは大きく違っていました。
実際の支出は約4万カナダドルだった
一年間の旅行に使った金額は、約4万カナダドル。
予想していた金額の半分程度であり、カナダで暮らすために設定していた年間予算とほぼ同じでした。
物価の安い国に長期滞在し、ホテルを次々と移動する短期旅行ではなく、現地で暮らすように旅をする。
そうすると、世界を旅しながらでも生活費を抑えられることが分かったのです。
「世界旅行は高い」という常識も、実際に数字を記録することで覆されました。
これがジオアービトラージFIREになった
2人は、カナダのIT業界で高い収入を得て、投資資産を作りました。
その後は、物価の安い国や地域も利用しながら世界を旅しています。
収入や資産を作る場所と、実際に暮らす場所を分ける。
これは、ジオアービトラージFIRE、つまり地理的FIREの代表的な実例です。
長期の海外生活を続けるうちに、2人にとって旅は、観光地を消費するものから、現地の文化や人を知るものへ変わりました。
世界各地に友人やコミュニティができ、世界全体が一つの街で、それぞれの国が違う地区のように感じられるようになったと語っています。
FIRE後に資産が2倍以上になった理由
FIREしたら、資産は毎年減り続ける。
そう思っている人も多いかもしれません。
しかし、クリスティとブライスは、FIRE後も投資を継続しました。
- 投資資産をすべて現金化しなかった
- 低コストの分散投資を続けた
- 年間支出を計画の範囲内に抑えた
- 相場下落時の取り崩しリスクに備えた
- 書籍やブログなどからも収入を得た
Business Insiderが確認したポートフォリオによると、FIRE後の純資産は2倍以上になったとされています。
2人は書籍から収入を得ていますが、その収入に頼って生活しているわけではないと説明しています。
資産を取り崩して暮らしながらでも、投資の利益が取り崩し額を上回れば、資産が増える可能性はあります。
もちろん、将来も同じ結果になる保証はありません。
相場環境によっては、資産が減少する期間もあるでしょう。
だからこそ、取り崩し率、生活費、投資先、現金の余裕を継続的に確認する必要があります。
本当に手に入れたのは「働かない自由」ではなかった
ブライスの父親が脳腫瘍になった
2人がFIREの本当の意味を実感したのは、家族に緊急事態が起きたときでした。
ブライスの父親が脳腫瘍と診断され、介護が必要になったのです。
2人は旅を中断し、家族のもとへ帰りました。
会社へ長期休暇を申請する必要はありません。
仕事を失う心配も、毎月の給料がなくなる心配もありませんでした。
大切な家族が自分たちを必要としているときに、すぐそばにいられたのです。
FIREは自分の時間を取り戻すこと
FIREの目的は、ただ働かなくなることではありません。
愛する人のために時間を使う。
自分が本当に重要だと思うことを優先する。
働きたければ働き、休みたければ休む。
住む場所を自分で選ぶ。
子どもの成長をそばで見る。
経済的自立の本質は、何もしないことではなく、選択肢を持つことです。
2人が手に入れたのは「仕事をしない自由」だけではありません。
自分の時間を、会社ではなく自分で決める自由でした。
私がこの本を買って感じたこと
私は、クリスティ・シェンとブライス・レオンの著書『FIRE 最強の早期リタイア術』を実際に買いました。
この本を読んで一番印象に残ったのは、2人が運よくFIREできたわけではないということです。
彼女は大学の専攻から計算していました。
学費はいくらかかるのか。
卒業後はいくら稼げるのか。
何年で学費を回収できるのか。
そして、家を買うか、投資するか。
いくらあれば仕事を辞められるのか。
海外を旅しながら、年間いくらで暮らせるのか。
人生の重要な選択を、すべて数字にしていたのです。
クリスティは、移民という不利な状況から人生を始めました。
貧困を知っていたからこそ、お金を軽く扱いませんでした。
そして、作家になる夢を捨てたのではありません。
夢をかなえる順番を決めたのです。
まずコンピューター工学を学び、エンジニアとして稼ぐ力を作る。
次に、支出を管理して投資資産を作る。
経済的自由を手に入れてから、本当にやりたかった作家になる。
彼女はFIRE後に『Quit Like a Millionaire』を書き、ベストセラー作家になりました。
彼女は作家になる夢を諦めたのではありません。
先に「夢を続けられるお金」を作ったのです。
好きなことだけを選んで貧困に戻るのでもなく、嫌な仕事を一生続けるのでもない。
稼げる仕事で資産を作り、FIREしてから、本当にやりたかった作家になる。
私は、この順番がものすごく賢いと思いました。
私たちがこの夫婦から学べる7つのこと
1.大学や資格は費用ではなく投資として考える
学費だけを見るのではなく、その教育によって将来の収入がどれだけ増えるのかを確認する。
2.学費と将来収入を比較する
有名大学、立派な肩書き、周囲からの評価だけで進路を決めず、何年で投資を回収できるのかを計算する。
3.収入が上がっても生活水準を上げすぎない
昇給分をすべて支出へ回さず、資産形成に使う。
4.すべてを我慢せず、大切な支出は残す
自分を幸せにしない支出を減らし、本当に大切な経験にはお金を使う。
5.家を買うことを当然だと思わない
持ち家と賃貸の費用を比較し、自分の人生に合うほうを選ぶ。
6.FIREに必要な金額を生活費から逆算する
他人のFIRE資産をまねするのではなく、自分の年間生活費から必要資産を計算する。
7.働く場所と暮らす場所を分ける
収入や資産を作る場所と、生活費を使う場所を分ければ、FIREの選択肢を広げられる。
「高収入夫婦だからできた」で終わらせない
2人ともITエンジニアで、高い収入を得ていたことは事実です。
夫婦2人で働いていたことも、大きな強みでした。
FIREを本格的に目指した時点で、住宅購入用に約50万カナダドルを貯めていたことも有利に働いています。
誰でも31歳で100万カナダドルを作れるわけではありません。
同じ時期に同じ投資リターンを得られる保証もありません。
しかし、高収入になったこと自体が、完全な偶然だったわけでもありません。
クリスティは、学費と卒業後の収入を比較してコンピューター工学を選びました。
Co-op制度を利用して、在学中から収入と実務経験を得ました。
高収入になっても生活水準を上げず、最大70%を貯蓄しました。
家を購入する代わりに、低コストのインデックスファンドへ投資しました。
年間生活費を把握し、FIREに必要な資産額を計算しました。
私たちが再現すべきなのは、「31歳で100万カナダドル」という結果だけではありません。
人生の大きな選択を、常識や感情だけで決めず、数字で比較する意思決定の方法です。
私たち全員が31歳で100万カナダドルを作れるわけではありません。
しかし、進学、転職、住宅購入、生活費、投資を数字で判断することは、今からでもできます。
まとめ|自由は偶然ではなく、計算して作れる
クリスティ・シェンは、中国の貧しい農村部に生まれ、8歳でカナダへ移住しました。
学費と将来の収入を比較し、コンピューター工学を選択。
エンジニアとして収入を作り、生活水準を上げず、夫婦で最大70%を貯蓄しました。
住宅購入用に貯めた約50万カナダドルは、家ではなくインデックスファンドへ投資。
年間生活費の25倍にあたる100万カナダドルを作り、30代前半で経済的自立を達成しました。
世界旅行の費用もすべて記録し、カナダで暮らすのと同じ程度の金額で旅を続けられると判断しました。
そしてFIRE後には、本来の夢だった作家になりました。
彼女の人生は、偶然の成功ではありません。
計算と選択の積み重ねです。
クリスティたちのように、全員が31歳でFIREする必要はありません。
しかし、自分の収入、生活費、資産、必要なFIRE金額を計算すれば、会社だけに頼らない人生は作れます。
私自身も42歳から本格的に投資を始め、44歳でFIREしました。
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参考にしたWebサイト一覧
- Business Insider Japan|31歳と32歳でFIREした夫婦が実践した、我慢しすぎずに収入の半分以上を貯める方法
100万カナダドルでのFIRE、最大70%の貯蓄率、年間支出、FIRE後に資産が2倍以上になったことなど。 - Business Insider|How One FIRE Couple Saved More Than Half Their Income
上記記事の英語版。夫婦の収入、支出、住居、旅行費、投資方針を紹介。 - Business Insider|The FIRE Road Map:夫婦が実践した2段階の投資戦略
資産形成期とFIRE後の運用、4%ルール、インデックス投資、配当・利息を活用した取り崩し戦略の参考。 - Business Insider|不動産や副業ではなく、インデックス投資でFIREした夫婦
住宅購入を諦めた経緯、VTI・IEFAなどへの投資、年間4万カナダドルから100万カナダドルを逆算した話。 - Business Insider|住宅費を抑えてFIREを早めた方法
約10年間、同じ1ベッドルームに住み、生活水準を上げなかったエピソード。 - Millennial Revolution|クリスティ・シェンとブライス・レオンの公式ブログ
夫婦自身が運営するFIREブログ。投資、取り崩し、海外生活、FIRE後の家計を継続的に公開。 - Millennial Revolution|Start Here
コンピューターエンジニアだった2人の紹介、住宅ではなく投資を選んだ経緯、4%ルールと100万カナダドルの計算。 - Millennial Revolution|Are Most Degrees Useless?
学費に対する収入のリターンを測る「POTスコア」と、大学・専攻を投資として考える方法。 - Millennial Revolution|Reader Case:POTスコアの計算方法
「卒業後の収入から最低賃金相当額を引き、学費総額で割る」というPOTスコアの考え方を説明。 - Millennial Revolution|How Much Is Enough?
年間生活費の25倍を目標資産とする「4%ルール」の解説。 - Millennial Revolution|Investment Workshop:FIRE後の取り崩し方
Cash Cushion、Yield Shield、FIRE直後の暴落に備える取り崩し方法。 - Millennial Revolution|The Yield Shield
配当や利息を利用し、相場下落時に資産を安値で売るリスクを抑える考え方。 - Afford Anything|44セントの生活から、31歳で100万ドルを築くまで
中国での幼少期、8歳でのカナダ移住、コーラの空き缶を歯ブラシ立てにした話、大学でブライスと出会った経緯。 - Hack Your Wealth|2人のエンジニアがFIREして世界旅行を始めるまで
2人の仕事内容、約9年間のエンジニア経験、年間旅行費約4万カナダドル、海外生活を続けた理由を語ったインタビュー。 - MoneySense|Kristy Shen on Living the FIRE Life
8歳でカナダへ移住したときの記憶、コーラの空き缶を大切に使った本人のエピソード。 - The Washington Post|31歳でFIREしたクリスティ・シェンへのインタビュー
本来の夢は作家だったこと、経済性を計算してコンピューター工学を選んだこと、POTスコアについて説明。 - Millennial Revolution|How 2020 Taught Us What Really Matters
ブライスの父親が脳腫瘍と診断されたことと、家族のそばにいる時間を確保できた経験。 - Amazon|Quit Like a Millionaire
原著の内容、著者紹介、4%ルールやYield Shieldなど書籍で扱われるテーマの確認。


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