LINEに届いたご相談
こんにちは。最近YouTubeでYoshieさんのことを知りました。
Yoshieさんが外資系企業や女性管理職について発信している動画を見て、共感することばかりでした。
私は45歳の独身女性です。
大学を卒業してから、ずっと日本の大手メーカーで働いています。現在は管理職で、年収は800万円ほどです。
実家で両親と暮らしているので、家賃もほとんどかからず、今すぐお金に困っているわけではありません。
周囲から見れば、大きな会社で役職にも就き、安定した収入もあるので、「何が不満なの?」と思われるかもしれません。
でも最近、会社に行くのが本当につらいです。
管理職になってから、年上の男性社員や、同じ役職の男性たちとうまくいっていない気がします。
会議で私が意見を言うと空気が悪くなったり、男性の管理職には共有されている情報が、私には後から伝わったりすることもあります。
私が考えすぎているだけなのかもしれません。
でも、女性だから管理職に選ばれたと思われているような気もするし、何を言っても「感情的」「扱いにくい」と受け取られている気がして、最近は会社で話すこと自体が怖くなっています。
かといって、45歳で今の会社を辞めたら、同じ年収や役職で転職できるとは思えません。
独身なので、何かあったときに頼れるのは自分だけです。
実家に住み続ければ家の心配はないと思いますが、両親も年を取ってきていますし、これから介護や家の維持費が必要になるかもしれません。
今の年収と会社員としての安定を捨てて、本当に大丈夫なのか怖いです。
最近、Yoshieさんの動画でFIREという選択肢を知りました。
会社を今すぐ辞めるのではなく、数年かけて準備して、会社に頼らなくても生きていける状態を作れたらと思っています。
ただ、45歳から投資を始めても間に合うのでしょうか?
私はFIREを目指せますか?
私の回答|45歳・年収800万円なら、FIREを目指せます
結論から言うと、FIREを目指せます。
45歳だから遅いわけではありません。
むしろ現在の年収が800万円あり、実家暮らしで住居費も抑えられているなら、これから数年間の行動次第で、かなり大きな資産を作れる可能性があります。
ただし、今すぐ勢いで会社を辞める必要はありません。
まず目指してほしいのは「一生働かない完全FIRE」ではなく、「今の会社を辞めても生活に困らない状態」です。
まず伝えたい|あなたが弱いから会社がつらいのではありません
相談文を読んで、最初に伝えたいことがあります。
あなたが弱いから、会社がつらくなったわけではありません。
そして、「自分が考えすぎているだけかもしれない」と、すべてを自分の問題にしなくても大丈夫です。
女性が管理職になると、一般社員だった頃とは違う種類の難しさに直面することがあります。
女性管理職が職場で孤立しやすい理由
日本の大企業では、管理職の多くが今も男性です。
一般社員だった頃は、女性社員同士で悩みを共有できたかもしれません。
しかし、管理職になると、会社側の立場で部下を評価したり、厳しいことを伝えたりしなければならなくなります。
その結果、以前は仲の良かった女性社員からも距離を置かれ、かといって男性管理職の輪にも完全には入れない。
女性社員からは「会社側の人」と見られ、男性管理職からは「女性代表」のように扱われる。
どちらにも完全には属せず、職場で孤立してしまう女性管理職は少なくありません。
男性中心の組織で女性だけが目立ってしまう
管理職が10人いて、そのうち女性が1人しかいなければ、何をしても目立ちます。
男性管理職が強い口調で発言しても、「仕事に厳しい人」で終わるかもしれません。
しかし、女性管理職が同じように発言すると、「怖い」「感情的」「女性なのに強すぎる」と言われることがあります。
会議で失敗しても、男性であればその人個人の失敗として見られます。
ところが女性が少ない職場では、一人の失敗が「やっぱり女性管理職は難しい」という話にすり替えられることもあります。
女性だから能力が低いわけではありません。
単純に人数が少ないため、一人ひとりの言動が必要以上に注目されてしまうのです。
「女性だから昇進した」と思われる苦しさ
近年は、女性管理職の比率を上げることを目標にする企業が増えています。
その結果、本人には十分な実績や能力があるのに、周囲からは「女性枠で昇進した」「会社のアピールのために選ばれた」と見られることがあります。
本人も次第に、
「私は本当に実力で選ばれたのだろうか」
「女性だから下駄を履かせてもらったのではないか」
と、自分の能力を疑うようになります。
私自身も管理職だった頃、「女性だから部署にいた方が見栄えがいい」「女性も活躍できる会社だと見せたい」という会社側の意図を感じることがありました。
だからといって、それまで積み重ねてきた努力や実績まで嘘になるわけではありません。
会社側に女性管理職を増やしたい事情があったとしても、誰でもその役職に就けるわけではありません。
あなたが長年働き、結果を出し、責任を負ってきた事実は変わりません。
強く発言すれば「感情的」、黙れば「能力がない」と見られる
女性管理職は、矛盾した評価を受けることがあります。
会議で強く意見を言えば、
「感情的だ」
「気が強すぎる」
「一緒に仕事をしにくい」
と言われる。
反対に、周囲に配慮して発言を控えれば、
「リーダーシップがない」
「管理職として物足りない」
「自分の意見がない」
と評価される。
部下に優しくすれば「甘い」と言われ、厳しくすれば「怖い女性」と言われる。
何を選んでも批判される環境では、自分の振る舞いが分からなくなって当然です。
「私の伝え方が悪いのかな」と努力を重ねても、そもそも評価する側に無意識の偏見があれば、一人の努力だけでは解決できません。
「考えすぎかもしれない」と自分を責めなくていい
情報が自分にだけ共有されない。
会議で発言すると空気が変わる。
男性管理職同士では話が決まっていて、自分には後から知らされる。
一つひとつを見れば、単なる偶然に見えるかもしれません。
だからこそ、「私が気にしすぎなのかな」と自分を疑ってしまいます。
もちろん、すべてが女性差別だと断定する必要はありません。
しかし、同じようなことが何度も続き、会社に行くことや発言することが怖くなっているなら、その苦しさまで否定する必要はありません。
本当に問題なのは、それが差別か、偶然かを完璧に証明することではありません。
その環境によって、あなたの心がすでに消耗していることです。
自分を責め続けるよりも、
「私は今、この職場で安心して働けていない」
という事実を、そのまま認めていいと思います。
年収800万円を手放すのが怖いのは当然です
45歳から同じ条件で転職できる保証はない
45歳で大手メーカーの管理職、年収800万円。
この条件を手放すのが怖いのは、当然です。
20年以上同じ会社で働いてきた場合、現在の年収には、これまで積み上げてきた勤続年数や社内評価、その会社だからこそ通用する経験も含まれています。
転職したからといって、同じ役職や年収が保証されるわけではありません。
特に45歳の管理職採用では、即戦力であることに加えて、専門性、マネジメント経験、業界内の人脈なども求められます。
転職できたとしても、年収が下がったり、役職がなくなったり、慣れない環境で一から人間関係を作らなければならない可能性があります。
「今の会社はつらい。でも、転職してもっと悪くなったらどうしよう」
そう考えて動けなくなるのは、決断力がないからではありません。
失う可能性があるものが大きいから、慎重になっているだけです。
だから私は、いきなり会社を辞めることをおすすめしません。
まずは会社に在籍したまま転職市場を調べて、自分の経験がどのくらい評価されるのかを確認してみる。
転職するかどうかを決めるのは、その後でも遅くありません。
年収だけでなく役職や社会的信用も失う気がする
会社を辞めるときに怖いのは、年収が下がることだけではありません。
大手企業の管理職という肩書き、名刺、社会的信用、周囲からの評価。
これまで自分を支えてきたものを、すべて失うように感じることがあります。
特に長い間、仕事を最優先にしてきた女性ほど、
「会社を辞めたら、私は何者になるのだろう」
という不安を抱えやすくなります。
初対面の人に会社名や役職を伝えれば、相手から一定の評価を得られる。
住宅ローンやクレジットカードの審査でも、会社員であることは信用になります。
家族や友人からも、「大手企業で管理職をしている、仕事のできる女性」と見られてきたかもしれません。
それを手放すことは、仕事を辞めるだけではなく、これまで作ってきた自分のアイデンティティーまで失うように感じます。
しかし、会社の名前や役職は、会社から一時的に与えられているものです。
会社を辞めても、そこで身につけた経験、判断力、問題解決能力、人を動かす力まで消えるわけではありません。
本当の意味で自分のものになるのは、会社の外に出ても残る能力と、自分で作った資産です。
独身女性は「自分が働けなくなったら終わり」と考えやすい
独身女性が会社を辞めることに強い不安を感じるのには、理由があります。
自分が働けなくなったとき、代わりに生活費を稼いでくれる配偶者がいないからです。
病気になったらどうしよう。
転職先が見つからなかったらどうしよう。
投資で損をしたらどうしよう。
親の介護が始まったらどうしよう。
一つの不安を考え始めると、次々と最悪の未来が浮かんできます。
実家に住んでいて、現在の住居費がほとんどかからなくても、両親は年を取っていきます。
これから介護費用や医療費、実家の修繕費が必要になるかもしれません。
将来その家を一人で維持できるのか、兄弟姉妹との相続はどうなるのかという問題もあります。
だからこそ独身女性は、既婚者以上に、お金の準備が心の安心につながります。
「誰かに養ってもらう」のではなく、自分の資産が自分を守ってくれる状態を作る。
FIREは、単に早く仕事を辞めるための方法ではありません。
独身女性にとっては、「自分が働けなくなっても人生が終わらない仕組み」を作ることでもあります。
長く勤めた会社ほど辞める決断が難しくなる
大学を卒業してから20年以上、同じ会社で働いてきた。
その会社しか知らなければ、辞めることが怖いのは当然です。
社内のルールも、人間関係も、仕事の進め方も分かっている。
不満はあっても、慣れている場所には安心感があります。
一方で、会社の外には何があるのか分からない。
自分の経験が他社でも通用するのか、自分にはどんな仕事ができるのか、想像できない人もいるでしょう。
さらに、長く働くほど退職金は増え、役職も上がり、福利厚生も充実します。
「ここまで頑張ったのだから、定年までいた方が得なのではないか」
「あと少し我慢すれば、もっと退職金が増える」
そう考えて、辞めるタイミングを先延ばしにしてしまいます。
しかし、今まで20年働いてきたことと、これからの20年も同じ会社に捧げることは別の話です。
過去にかけた時間を理由に、これからの人生まで差し出す必要はありません。
大切なのは、これまで何年働いたかではなく、これからどのように生きたいかです。
すぐに会社を辞めなくても構いません。
まずは資産を整理し、年間生活費を確認し、会社以外の収入源を少しずつ作っていく。
「辞めるか、残るか」を今すぐ決めるのではなく、いつでも自分で選べる状態を作ることから始めればいいのです。
高収入の会社に居続けることだけが「安定」ではありません
大手企業の管理職で、年収800万円。
今の会社にいれば、毎月決まった給料が入り、賞与や退職金、福利厚生もあります。
そのため、つらくても会社に残る方が安全だと考えてしまいます。
しかし、会社に居続けることと、人生が安定していることは同じではありません。
会社員の年収は自分の資産ではない
年収800万円という数字を見ると、自分には800万円分の経済力があるように感じます。
しかし、その年収は、会社に所属して働き続けることを条件に受け取れるお金です。
会社を辞めたり、病気で働けなくなったりすれば、同じ収入が入ってくるとは限りません。
年収が高くても、入ってきたお金をすべて生活費や買い物に使っていれば、会社への依存度は下がりません。
大切なのは、いくら稼いでいるかだけではなく、その収入のうち、いくらを自分の資産として残せているかです。
例えば、年収800万円でも金融資産がほとんどない人より、年収500万円でも資産を3,000万円作っている人の方が、会社を辞める自由を持っています。
給料は、働き続けなければ入ってこないお金です。
一方で、自分で作った資産は、会社を離れた後も自分の手元に残ります。
だからこそ、現在の高い年収を生活水準を上げるためだけに使うのではなく、将来の自由を作るために使う必要があります。
役職や待遇は会社の判断で変わる
管理職という立場や年収800万円という待遇も、永久に保証されたものではありません。
会社の業績、経営方針、上司の交代、評価制度の変更によって、立場は変わります。
突然の異動で責任の少ない部署へ移されることもあれば、管理職を外れ、年収が下がることもあります。
これまで結果を出してきたとしても、会社が求める人材や評価基準が変われば、同じように評価され続けるとは限りません。
役職や待遇は、自分の持ち物のように見えて、実際には会社が与えているものです。
会社の名刺に書かれた肩書きは、退職した瞬間になくなります。
しかし、自分で積み上げた資産、知識、経験は、会社の都合で取り上げられることはありません。
だから、会社の中でより高い役職を目指すことだけではなく、会社の外でも自分を守れるものを作ることが大切です。
AI・組織再編・早期退職で状況が変わる可能性がある
「大企業だから定年まで安心」とは言い切れない時代になりました。
AIの導入によって、これまで人が行っていた資料作成、データ分析、管理業務、報告業務などが自動化され始めています。
特に管理職の仕事には、情報を集める、資料をまとめる、進捗を確認する、上層部へ報告するといった業務が多く含まれます。
こうした仕事がAIによって効率化されれば、会社は以前と同じ人数の管理職を必要としなくなる可能性があります。
さらに、企業の合併、事業売却、海外移転、組織再編によって、自分の部署や役職そのものがなくなることもあります。
会社の業績が悪化すれば、早期退職の対象になる可能性もあります。
もちろん、今すぐ全員の仕事がAIに奪われるわけではありません。
しかし、「私は大企業の正社員だから大丈夫」と、会社だけを安全網にするのは危険です。
会社の状況が変わってから慌てて準備するのではなく、収入が高く、まだ働ける今のうちに資産を作っておく。
それが、これからの時代に必要な備えです。
心や身体を壊すと、高収入を維持できなくなる
年収800万円を守るために、毎日無理をして働き続ける。
しかし、その結果、心や身体を壊して働けなくなってしまったら、守ろうとしていた収入そのものを失う可能性があります。
特に40代になると、若い頃と同じような働き方を続けることが難しくなる人もいます。
管理職としての責任、長時間労働、職場の人間関係に加えて、更年期による体調の変化や親の介護が重なることもあります。
眠れない。
会社のことを考えると動悸がする。
休日も仕事のことが頭から離れない。
朝、会社へ行こうとすると身体が動かない。
このような状態になっているなら、「もう少し頑張れば大丈夫」と我慢し続けるべきではありません。
心や身体は、一度大きく壊してしまうと、回復に時間がかかります。
場合によっては、以前と同じ働き方に戻れなくなることもあります。
お金は後から取り戻せる可能性があります。
しかし、失った健康や時間を完全に取り戻すことはできません。
高収入を維持することよりも、自分が健康に生きられることの方が大切です。
本当の安定とは、会社から給料がなくても生活できること
高い年収を受け取り続けることが、本当の安定ではありません。
なぜなら、その年収を受け取れるかどうかを決めているのは、自分ではなく会社だからです。
本当の安定とは、会社の状況が変わっても、役職を失っても、体調を崩して働けなくなっても、すぐに生活に困らない状態です。
生活費の数年分を現金で持つ。
投資によって資産を育てる。
会社以外の小さな収入源を作る。
生活費を見直し、毎月必要なお金を減らす。
こうした準備によって、会社への依存度を少しずつ下げていきます。
FIREとは、ただ早く仕事を辞めることではありません。
会社に人生を支配されない仕組みを、自分で作ることです。
年収800万円という現在の収入は、会社にしがみつくためのものではありません。
会社を辞めても困らない未来を作るために使える、非常に大きな武器なのです。
FIREできるかどうかは、4つの数字で決まります
「45歳からでもFIREできますか?」
この質問に、年齢と年収だけで答えることはできません。
年収800万円あっても、毎年800万円近く使っていれば、会社を辞めるのは難しいでしょう。
反対に、年収がそれほど高くなくても、すでに十分な資産があり、少ない生活費で満足できる人なら、FIREに近い可能性があります。
FIREできるかどうかを判断するためには、次の4つの数字を確認する必要があります。
1.現在の金融資産
最初に確認するのは、現在いくら持っているかです。
普通預金や定期預金だけではなく、以下の資産をすべて書き出します。
・預貯金
・NISA
・株式や投資信託
・iDeCo
・企業型確定拠出年金
・貯蓄型保険の解約返戻金
・退職金の見込み額
長く大手企業に勤めている人の場合、企業型確定拠出年金や退職金が思っていた以上に貯まっていることがあります。
ただし、iDeCoや企業型確定拠出年金など、すぐには引き出せない資産もあります。
45歳や50歳で会社を辞める場合、年金資産を受け取れる年齢まで、どの資産を使って生活するのかも考えなければなりません。
そのため、資産は次の2つに分けて確認すると分かりやすくなります。
・会社を辞めた直後から使える資産
・一定の年齢になるまで使えない老後資産
「全部合わせれば5,000万円あるから大丈夫」と考えるのではなく、退職後すぐに使えるお金がいくらあるのかを確認することが重要です。
また、保険についても、これまで支払った金額ではなく、今解約した場合に戻ってくる金額を確認します。
まずは自分の資産を一か所に書き出し、現在地を正確に把握しましょう。
2.年間生活費
次に確認するのは、1年間にいくら使っているかです。
FIREに必要な金額は、年収ではなく生活費によって決まります。
実家暮らしで家賃を払っていなければ、「私はあまりお金を使っていない」と思うかもしれません。
しかし、食費や日用品だけでなく、次の支出も含めて計算する必要があります。
・食費
・水道光熱費
・通信費
・生命保険や医療保険
・税金や社会保険料
・医療費
・美容費や被服費
・趣味や習い事
・旅行や帰省費用
・交際費
・車の維持費
・家電や家具の買い替え費用
会社員の間は、税金や社会保険料が給料から自動的に引かれています。
そのため、実際にいくら負担しているのかを意識していない人もいます。
会社を辞めると、住民税、国民健康保険料、国民年金などを自分で支払うことになります。
退職した翌年は、前年の所得をもとに住民税や健康保険料が計算されるため、想像以上に大きな負担になることもあります。
また、FIRE後に旅行や趣味を楽しみたいのであれば、その費用を極端に削った生活費で計算してはいけません。
「生きていくための最低金額」ではなく、「自分が無理なく幸せに暮らせる金額」を出すことが大切です。
3.実家と親にかかる将来のお金
実家暮らしは、住居費を抑えられるという大きなメリットがあります。
しかし、「実家があるから老後も家賃はかからない」と単純に考えるのは危険です。
両親が年を取れば、介護や医療にお金が必要になる可能性があります。
実家にも、次のような費用がかかります。
・固定資産税
・火災保険や地震保険
・屋根や外壁の修繕費
・給湯器やエアコンなどの交換費用
・水回りのリフォーム費用
・庭や建物の維持費
・バリアフリー工事
・相続登記などの手続き費用
親の介護についても、本人の年金や預貯金でまかなえるのか、子どもが負担する必要があるのかを確認しておきます。
兄弟姉妹がいる場合には、将来、誰が実家を相続するのかも重要です。
自分が両親と暮らしているからといって、必ず自分一人の家になるとは限りません。
相続後に他の相続人へ代償金を支払う可能性や、売却して財産を分ける可能性もあります。
実家にかかるお金と、自分自身の生活費は、別に考えましょう。
「住居費がゼロ」ではなく、「今は両親が負担している住居費がある」と考えると、将来必要になる金額が見えやすくなります。
4.会社を辞めた後の収入
最後に考えるのは、会社を辞めた後にどのくらい働くかです。
FIREというと、仕事を完全に辞めて、一生働かない生活を想像する人がいます。
しかし、必ずしも完全に無収入になる必要はありません。
例えば、年間生活費が300万円の場合、会社を辞めた後も好きな仕事で年間120万円を稼げれば、資産から取り崩す必要があるのは年間180万円です。
週に2日だけ働く。
これまでの経験を生かして在宅で仕事をする。
業務委託やコンサルティングで、月に数万円を得る。
好きなことを教えたり、発信を仕事にしたりする。
このように小さな収入があるだけでも、FIREに必要な資産額は大きく下がります。
また、働くことは収入だけでなく、社会とのつながりや生活のリズムにもなります。
今の会社がつらいからといって、仕事そのものを一生やめる必要はありません。
この相談者の場合、長年大手メーカーで管理職をしてきた経験があります。
マネジメント、採用、人材育成、業務改善、資料作成、プロジェクト管理など、会社の外でも使える経験を持っている可能性があります。
「今の年収800万円を維持できる仕事」だけを探すと、選択肢は少なくなります。
しかし、「年間100万〜200万円を無理なく稼げる仕事」と考えれば、選べる働き方は増えていきます。
完全FIREを目指すのか。
週に数日働くサイドFIREを目指すのか。
負担の少ない仕事に変えるバリスタFIREを目指すのか。
会社を辞めた後の収入によって、必要な資産額は大きく変わります。
45歳からFIREできるかを判断するときは、年齢だけを見て諦めないでください。
現在の資産、年間生活費、実家と親にかかるお金、退職後の収入。
この4つの数字を出せば、「なんとなく怖い」が「あといくら必要か」に変わります。
不安の正体が数字になれば、FIREは夢ではなく、具体的な計画になります。
実家暮らしでも「家の心配はない」とは限りません
今回の相談者は、現在、実家で両親と暮らしています。
家賃がほとんどかからないため、一人暮らしの人よりも生活費を抑えやすく、FIREを目指すうえでは大きな強みです。
年収800万円を得ながら住居費を抑えられれば、毎年かなりの金額を投資に回せる可能性があります。
ただし、「実家があるから、一生住居費はかからない」と考えるのは危険です。
今は両親が負担しているお金も、将来は自分が支払うことになるかもしれません。
FIREの計画を立てるときは、自分の生活費だけでなく、実家と両親にかかる将来のお金も確認する必要があります。
実家は将来自分の家になるのか
現在、実家に住んでいるからといって、その家が将来自動的に自分のものになるとは限りません。
まず確認したいのは、実家の名義です。
父親や母親の単独名義なのか、両親の共有名義なのか、土地と建物で名義が違うのか。
住宅ローンやその他の借入金が残っていないかも確認する必要があります。
また、両親が亡くなった後、その家を誰が相続する予定なのかについても、家族で話しておいた方がいいでしょう。
両親は「あなたが住んでいるのだから、そのまま住めばいい」と考えているかもしれません。
しかし、家族の口約束と、実際の相続手続きは別の問題です。
FIRE後も実家に住み続けることを前提にするなら、将来その家を自分が相続できるのか、早めに確認しておく必要があります。
兄弟姉妹との相続はどうなるのか
兄弟姉妹がいる場合、実家は自分だけの問題ではありません。
自分が長年両親と暮らし、介護をしていたとしても、兄弟姉妹に相続する権利がなくなるわけではありません。
実家以外に十分な預貯金などがあれば、家を自分が相続し、他の財産を兄弟姉妹が相続する方法も考えられます。
しかし、両親の主な財産が実家だけだった場合、財産を平等に分けることが難しくなります。
自分が家に住み続けるために、兄弟姉妹へお金を支払う必要が生じるかもしれません。
話し合いがまとまらなければ、実家を売却して代金を分ける可能性もあります。
「私は実家に住んでいるから、この家は将来自分のものになる」と思い込まず、兄弟姉妹を含めて、両親が元気なうちに意向を確認しておくことが大切です。
必要であれば、税理士や司法書士などの専門家にも相談しましょう。
築年数と修繕費はいくらかかるのか
持ち家は家賃がかからないから安心と思われがちですが、家を維持するためのお金は必要です。
特に築年数が長い実家では、これから次々と修繕が必要になる可能性があります。
例えば、次のような費用です。
・屋根や外壁の修繕
・給湯器の交換
・エアコンの交換
・キッチンや浴室、トイレのリフォーム
・水道管や排水設備の修理
・雨漏りやシロアリへの対応
・耐震工事
・庭や塀の維持管理
・火災保険や地震保険
・固定資産税
今は両親がこれらの費用を支払っているため、自分の生活費として見えていないだけかもしれません。
両親が亡くなった後は、すべて自分で負担することになります。
修繕費は毎月一定額が出ていくわけではなく、突然まとまった金額が必要になります。
そのため、年間生活費とは別に「実家の修繕積立金」を用意しておくと安心です。
現在の築年数と家の状態を確認し、今後10年から20年の間にどのような修繕が必要になりそうか、一度専門業者に点検してもらうのもいいでしょう。
両親の介護費用を誰が負担するのか
両親が年を取れば、医療や介護にお金がかかる可能性があります。
大切なのは、両親の介護費用を最初からすべて自分の資産で負担する前提にしないことです。
まず確認したいのは、両親自身の年金、預貯金、保険、その他の資産です。
両親の介護費用は、基本的には両親の年金や資産から支払うことを考えます。
それでも足りない場合に、子どもがどこまで支援するのかを、兄弟姉妹を含めて話し合います。
同居している子どもだけが、介護もお金もすべて負担する状態になると、本人の生活やFIRE計画が大きく崩れてしまいます。
また、お金だけでなく、介護によって働ける時間が減る可能性もあります。
会社を辞めてFIREした後であれば、「時間があるのだから介護できるでしょう」と周囲から期待されることもあるかもしれません。
しかし、FIREしたからといって、自分の人生や時間をすべて介護に使わなければならないわけではありません。
誰がどのように介護するのか。
施設を利用する可能性はあるのか。
兄弟姉妹はどのように協力するのか。
両親が元気なうちに話し合っておくことが重要です。
両親が亡くなった後、一人で実家を維持できるのか
両親が亡くなった後、その家に一人で住み続けるのかも考えておく必要があります。
家族で暮らすために建てられた家は、一人で住むには広すぎる場合があります。
部屋数が多ければ、掃除や庭の手入れも大変です。
光熱費や固定資産税、保険料、修繕費も、一人で負担しなければなりません。
さらに、年齢を重ねると、階段の上り下りや駅、病院、スーパーまでの移動が難しくなることもあります。
今は住み慣れた便利な家でも、70代、80代になったときに暮らしやすいとは限りません。
そのまま住み続ける。
家を売却して小さなマンションへ移る。
一部をリフォームする。
賃貸に出す。
こうした選択肢も、早いうちから考えておくといいでしょう。
売却を選ぶ可能性があるなら、現在の実家にどのくらいの価値があるのかを調べておくことも大切です。
ただし、査定価格がそのまま将来の売却価格になるとは限らないため、FIRE資金として過大に計算しないようにします。
家と介護のお金は、本人の生活費とは別に準備する
実家暮らしは、FIREを目指すうえで間違いなく有利です。
しかし、それは「住居に一生お金がかからない」という意味ではありません。
現在の生活費が年間200万円だったとしても、それとは別に、実家の修繕費や固定資産税、親の介護、自分が将来住み替えるためのお金が必要になる可能性があります。
だからFIREの資産計画では、次の3つを分けて考えます。
・自分が毎年生活するためのお金
・実家を維持するためのお金
・両親の介護や将来の住み替えに備えるお金
これらをすべて一つの生活費として考えると、何にいくら必要なのか分からなくなります。
別枠で準備しておけば、実家の修繕や介護が始まっても、自分の生活資金を大きく崩さずに対応できます。
実家があることは、安心材料の一つです。
しかし、本当の安心は「家があるから大丈夫」と思い込むことではありません。
その家を将来誰が所有し、誰が維持し、いくら必要になるのかを数字で把握することから生まれます。
45歳・年収800万円から考える3つのFIREプラン
プラン1|50歳まで会社員を続けて資産を一気に作る
あと5年間、現在の高収入を利用して、年間200万〜300万円を投資する。
退職金や企業年金も確認し、50歳を会社員卒業の目標にする。
プラン2|役職を降りて、収入より心身の安定を優先する
管理職から外れる、部署を異動する、休職するなど、会社を辞める前に負担を下げる方法を検討する。
年収が下がっても、投資と仕事を続けながらFIREを目指す。
プラン3|サイドFIREに切り替える
完全に働かないことを目標にせず、投資収入と小さな労働収入を組み合わせる。
生活費の一部を自分の好きな仕事で稼げれば、必要な資産額を大きく下げられる。
例えば、年間生活費300万円の場合
年間生活費が300万円なら、生活費の25倍で考えた完全FIREの目安は7,500万円。
ただし、年間120万円を働いて稼げるなら、資産から必要なのは年間180万円になる。
その場合、単純計算では4,500万円が一つの目安になる。
実家の修繕費や介護費用、税金、年金、医療費などもあるため、この数字だけで退職を決めてはいけない。
しかし「7,500万円なければ絶対に会社を辞められない」というわけでもない。
45歳から投資を始めても遅くありません
私は42歳から本格的に投資を始め、44歳でFIREしました。
20代から投資を始めた人と比べれば、運用できる時間は短くなります。
しかし、40代には若い頃より高い収入、仕事の経験、人脈、判断力があります。
年収800万円を生活水準の維持だけに使わず、自由を作るために使えば、人生は変えられます。
FIREのために、つらい会社で限界まで耐える必要はありません
FIREを目指すと決めると、
「あと5年だけ頑張ろう」
「資産が目標額に届くまでは辞められない」
「今の高い年収を手放してはいけない」
と考えてしまう人がいます。
しかし、FIREのために心や身体を壊してしまったら、本末転倒です。
FIREは、人生を自由に、幸せに生きるための手段です。
自分を壊してまで資産額を増やすことが目的ではありません。
眠れない、食欲がない、涙が出る、会社のことを考えると動悸がする、朝起きても身体が動かない。
このような状態が続いているなら、資産形成よりも先に、自分の心と身体を守る必要があります。
会社を今すぐ辞めるか、目標額まで我慢するか。
その二択にする必要はありません。
お金の計画を立てるのと同時に、今の環境から少し距離を取る方法も考えてみましょう。
有給休暇を取って心身を休ませる
最初に考えてほしいのは、有給休暇を使って会社から離れることです。
真面目で責任感の強い人ほど、
「自分が休んだら部下に迷惑がかかる」
「管理職なのに休むのは無責任だ」
と考えてしまいます。
しかし、一人の管理職が数日休んだだけで回らなくなる組織なら、それは本人ではなく会社の体制の問題です。
疲れ切った状態では、今の会社に残るべきか、辞めるべきかを冷静に判断できません。
少し長めに休み、十分に眠る。
仕事のメールやチャットを見ない。
散歩をしたり、好きなものを食べたり、家族や信頼できる人と話したりする。
まずは会社から物理的に距離を取り、心と身体を落ち着かせる時間を作りましょう。
休んで初めて、自分がどれほど疲れていたのかに気づくこともあります。
産業医や医療機関に相談する
会社へ行くことを考えるだけで強い不安を感じる、眠れない、食べられない、日常生活にも影響が出ている。
そのような場合は、一人で我慢せず、産業医や医療機関に相談してください。
会社に産業医や相談窓口があるなら、現在の体調や職場の状況を伝えます。
必要に応じて、残業の制限、業務量の調整、配置転換、休職などにつながる可能性があります。
「病院に行くほどではない」
「自分より大変な人はいる」
「もう少し頑張れる」
と考える必要はありません。
相談することは、すぐに会社を辞めることでも、自分が弱いと認めることでもありません。
自分の状態を客観的に確認し、これ以上悪化させないための行動です。
心身の不調が強いときは、投資や退職といった大きな決断を急がず、まず健康を回復させることを優先しましょう。
異動や降格も選択肢に入れる
今つらい原因は、会社そのものではなく、現在の部署や管理職という立場にあるかもしれません。
それなら、会社を辞める前に異動を希望する方法があります。
上司との関係、業務内容、男性中心の管理職チームから離れることで、状況が大きく変わる可能性もあります。
また、管理職を降りることも選択肢の一つです。
役職を降りれば、年収が下がる可能性があります。
しかし、責任や精神的な負担が減り、健康を保ちながら働き続けられるなら、それは失敗ではありません。
年収800万円を維持して心身を壊すより、年収が少し下がっても、余裕を取り戻しながら資産形成を続ける方が、結果としてFIREに近づける場合もあります。
一度管理職になったからといって、定年まで管理職でいなければならないわけではありません。
昇進だけが、正しいキャリアではありません。
自分の生活や健康に合わせて、仕事の責任を小さくすることも立派な選択です。
転職市場で自分の価値を確認する
今すぐ転職するつもりがなくても、転職市場を調べておくことには意味があります。
転職サイトで求人を見る。
自分の経歴を整理する。
転職エージェントと話してみる。
同じ業界や職種では、どのくらいの年収が提示されるのかを確認する。
こうした行動を通じて、会社の外にどのような選択肢があるのかが分かります。
もしかすると、今と同じような年収で転職できるかもしれません。
反対に、年収は下がっても、残業が少なく、管理職ではない働き方が見つかるかもしれません。
転職しなくても構いません。
大切なのは、「私はこの会社でしか生きられない」という思い込みを外すことです。
自分の経験や能力が社外でどのように評価されるのかを知るだけでも、精神的な余裕が生まれます。
会社に残るとしても、それが「他に行く場所がないから」ではなく、「選択肢を確認したうえで、今は残ると決めた」に変わります。
退職する前に生活費と資産を整理する
会社を辞めたい気持ちが強くても、勢いだけで退職するのはおすすめしません。
退職届を出す前に、少なくとも次の数字を確認しましょう。
・現在の預貯金
・NISAなどの投資資産
・iDeCoや企業型確定拠出年金
・退職金の見込み額
・毎月の生活費
・実家の維持費
・両親の介護に備えるお金
・退職後の税金や社会保険料
・失業給付など利用できる制度
・会社を辞めた後に得られる収入
数字を整理すると、「今すぐ辞めても大丈夫なのか」「あと何年準備すればいいのか」が見えてきます。
例えば、生活費の2年分を現金で確保できていれば、退職後にすぐ次の仕事が決まらなくても、慌てずに行動できます。
一方で、資産がまだ少ない場合でも、管理職を降りる、異動する、休職するなどの方法で時間を作りながら、FIREの準備を続けることができます。
お金と健康、両方を守る計画を作る
FIREを目指すうえで大切なのは、最短で資産を増やすことだけではありません。
健康を守りながら、会社への依存度を少しずつ下げていくことです。
休む。
相談する。
異動する。
役職を降りる。
転職市場を調べる。
生活費と資産を整理する。
どれか一つでも行動すれば、今の苦しい状況から少し距離を取ることができます。
「もう限界まで我慢して、ある日突然辞める」必要はありません。
FIREの準備をしながら、働き方を少しずつ軽くしていくこともできます。
高収入を守ることよりも、自分の人生と健康を守ることの方が大切です。
会社を辞めても困らない資産を作ること。
そして、その資産が完成する前に、自分自身を壊さないこと。
その両方を含めて、FIREの計画を立ててほしいと思います。
私だったら、会社を辞める前に「辞められる準備」を始めます
今回の相談者が私のところへ相談に来たら、私は今すぐ会社を辞めるようには言いません。
でも、「つらくても定年まで我慢しましょう」とも言いません。
会社に在籍して年収800万円を受け取りながら、その収入を使って、会社を辞めても困らない状態を作っていきます。
「辞めるか、耐えるか」の二択にする必要はありません。
今の会社にいる間に、会社への依存度を少しずつ下げていけばいいのです。
1.自分の資産をすべて書き出す
最初に、自分が現在持っている資産をすべて書き出します。
普通預金、定期預金、NISA、投資信託、株式、iDeCo、企業型確定拠出年金、保険の解約返戻金、退職金の見込み額。
銀行口座や証券口座が複数ある場合は、一か所にまとめて記録します。
ここで大切なのは、「たぶん1,000万円くらいある」といった感覚ではなく、実際の金額を確認することです。
また、資産は次の3つに分けると分かりやすくなります。
・すぐに使える現金
・値動きのある投資資産
・一定の年齢まで引き出せない老後資産
合計資産が多くても、退職直後に使える現金が少なければ、安心して会社を辞めることはできません。
現在地が分からなければ、FIREまでの距離も計算できません。
まずは、自分の持っているお金を正確に把握するところから始めます。
2.1年間の生活費を計算する
次に、1年間の生活費を計算します。
家計簿を完璧につける必要はありません。
銀行口座やクレジットカードの履歴を確認し、毎月の平均支出を出します。
食費、水道光熱費、通信費、保険料、医療費、美容費、被服費、交際費、趣味、旅行、車の維持費などを確認しましょう。
さらに、会社を辞めた後に自分で支払う税金や社会保険料も考慮します。
実家暮らしの場合は、現在自分が支払っている金額だけを見るのでは不十分です。
両親が負担している食費、水道光熱費、固定資産税、保険料なども確認します。
将来自分一人で暮らすことになったとき、いくら必要になるのかを計算するためです。
FIREに必要なのは、最低限生きられる生活費ではありません。
旅行や趣味も含めて、自分が無理なく幸せに暮らせる金額を出すことが大切です。
3.実家・介護・相続の状況を確認する
次に、実家と両親について確認します。
これは少し話しにくいテーマかもしれません。
しかし、実家に住み続けることを前提にFIRE計画を作るなら、避けては通れません。
確認したいのは、次のような内容です。
・実家の土地と建物の名義
・住宅ローンや借入金の有無
・家の築年数と今後必要になる修繕
・固定資産税や保険料
・両親の年金、預貯金、保険
・介護が必要になった場合の希望
・兄弟姉妹との相続
・将来、誰が実家を所有する予定なのか
両親が亡くなった後、そのまま自分が住めるとは限りません。
兄弟姉妹との話し合いが必要になることもあります。
両親が元気なうちに少しずつ確認し、必要であれば専門家に相談します。
家や介護にかかるお金は、自分の生活費とは別枠で準備しておきましょう。
4.毎月の投資額を決める
現在の資産と生活費が分かったら、毎月いくら投資できるかを決めます。
年収800万円で実家暮らしなら、支出を整理することで、比較的大きな金額を投資に回せる可能性があります。
ただし、「余ったら投資する」では、なかなか資産は増えません。
給料が入ったら、最初に決めた金額を投資へ回す仕組みを作ります。
NISAなどの制度も活用しながら、長期・積立・分散を基本にします。
一方で、退職が近い人は、すべてを値動きのある資産に入れてはいけません。
会社を辞めた直後に相場が下落しても、慌てて投資資産を売らなくて済むよう、現金も残しておく必要があります。
資産を増やすための投資と、退職後の生活を守る現金。
この二つを分けて準備します。
5.退職希望年齢を決める
「いつか会社を辞めたい」だけでは、具体的な計画を立てられません。
まずは仮でいいので、会社を卒業したい年齢を決めます。
例えば、現在45歳なら、
・48歳で管理職を降りる
・50歳で会社を辞める
・55歳までに完全FIREする
というように、段階を分けても構いません。
退職希望年齢が決まれば、あと何年間働くのか、その間にいくら投資できるのかを計算できます。
同時に、退職金が何歳でどのくらい受け取れるのかも確認します。
退職を1年早めることで、退職金や資産形成にどのような影響が出るのか。
反対に、あと1年働くことで、どのくらい安心が増えるのか。
数字で比較すれば、「怖いから辞められない」という状態から、自分で時期を選べる状態に変わります。
6.会社以外の小さな収入源を作る
完全FIREに必要な資産を作るには、時間がかかります。
しかし、会社以外から小さな収入を得られれば、必要な資産額を下げられます。
最初から大きく稼ぐ必要はありません。
月1万円でも、3万円でも構いません。
これまでの仕事で身につけた経験を使い、できることを考えてみましょう。
例えば、管理職経験がある人なら、人材育成、業務改善、資料作成、プロジェクト管理、キャリア相談などが考えられます。
会社の規則を確認したうえで、副業を始める方法もあります。
すぐに副業ができない場合は、退職後にできそうな仕事を調べたり、必要なスキルを学んだりするだけでも準備になります。
大切なのは、金額だけではありません。
「会社から給料が入らなくても、自分の力でお金を作れる」
という経験が、自信になります。
年収800万円を別の会社で再現しようとすると、選択肢は限られます。
しかし、生活費の一部を補う月5万〜10万円の収入なら、作れる可能性は大きくなります。
7.いつでも辞められる退職資金を現金で確保する
投資資産とは別に、会社を辞めた直後の生活を支える現金を準備します。
私はこれを、「いつでも辞められるお金」だと考えています。
必要な金額は、生活費や退職後の働き方によって変わります。
少なくとも、当面の生活費、退職後の税金や社会保険料、予想外の医療費などに対応できる現金は確保しておきたいところです。
心身の状態がすでに限界に近い場合は、FIREに必要な資産が完成するまで待つのではなく、生活費の1〜2年分を現金で確保し、先に会社を離れる選択肢もあります。
この現金があるだけで、職場で嫌なことがあったときの感じ方は変わります。
「辞めたら生きていけない」ではなく、
「必要なら、私はいつでも辞められる」
と思えるからです。
会社を実際に辞めなくても、辞められるお金を持つことには大きな意味があります。
会社への依存度を、少しずつ下げていく
FIREは、ある日突然会社を辞めることではありません。
自分の資産を把握する。
生活費を整理する。
実家と介護のお金を確認する。
投資を始める。
会社以外の収入を作る。
退職後に使える現金を準備する。
こうした行動を重ねながら、会社への依存度を少しずつ下げていくことです。
今の会社に残ることを選んでも構いません。
転職してもいい。
管理職を降りてもいい。
サイドFIREを目指してもいい。
大切なのは、会社に人生を決められるのではなく、自分で選べる状態を作ることです。
「辞めるか、耐えるか」の二択ではありません。
会社に在籍しながら、いつでも離れられる準備を始める。
それが、45歳・年収800万円の今だからこそできる、現実的なFIREへの第一歩です。
まとめ|あなたに必要なのは、もっと我慢することではありません
45歳で年収800万円なら、FIREを目指すことは十分可能です。
でも、本当の問題は「投資を始めるのが遅いか」ではありません。
今の会社に人生のすべてを握られていると感じていることです。
高い年収も、役職も、大企業の肩書きも、自分を苦しめながら守り続けなければならないものではありません。
まずは、会社を辞めても困らない資産と、会社以外から得られる小さな収入を作る。
目指すのは、二度と働かない人生ではありません。
「この会社にいなくても、私は大丈夫」
そう思える人生を作ることです。
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参考資料・参照サイト
女性管理職・女性の働き方
・令和6年版 男女共同参画白書|内閣府男女共同参画局
女性の就業や管理職登用、仕事と健康の両立に関する統計・分析。
・女性役員情報サイト|内閣府男女共同参画局
上場企業における女性役員の登用状況や、企業の取り組みに関する資料。
・男女共同参画白書 平成29年版|内閣府男女共同参画局
日本における女性の就業拡大と、管理的職業従事者に占める女性割合の低さを確認できる資料。
・Honorary Whites? Asian American Women and the Dominance Penalty|SAGE Journals
女性リーダーが、権威を示さなければ有能に見られず、強く振る舞えば対人面で否定的に評価される「ダブルバインド」に関する研究。
・Does Gender Bias Against Female Leaders Persist?|SAGE Journals
女性リーダーに対する評価や、上司の性別に関する選好を大規模調査した研究。
退職後の年金・健康保険・iDeCo
・就職・転職・退職|日本年金機構
会社を退職したときに必要となる、健康保険や厚生年金の資格喪失などの手続き。
・会社を退職したときの国民年金の手続き|日本年金機構
退職後、すぐに再就職しない場合の国民年金への切り替えについての案内。
・退職後の健康保険・任意継続|全国健康保険協会
退職後の健康保険について、任意継続、国民健康保険、家族の扶養という選択肢を説明した資料。
・iDeCo加入者・運用指図者の方へ|iDeCo公式サイト
iDeCoの老齢給付金は原則60歳からで、中途解約が原則できないことなどを説明した公式資料。
実家・相続・介護
・相続財産が分割されていないときの申告|国税庁
遺産分割が終わっていない場合の相続税申告や、各種特例の取り扱いに関する説明。
・相続税の申告要否判定コーナー|国税庁
実家などの土地を、固定資産税評価額や評価倍率を使って評価する方法の案内。
・相続登記の義務化について|法務局
不動産を相続した人に相続登記の申請が義務づけられた制度についての説明。
・介護保険とは|厚生労働省 介護サービス情報公表システム
介護保険の仕組み、対象者、要介護認定と介護サービスについての基本資料。
働く人のメンタルヘルス
・働く人の「こころの耳電話相談」|厚生労働省
仕事、人間関係、過重労働、メンタルヘルス不調などを相談できる公的な窓口。
・働く人の「こころの耳SNS相談」|厚生労働省
心身の不調や仕事上の不安を、SNSで相談できる窓口。
FIRE・4%ルール
・The Origin of the 4% Rule|GuidingData
トリニティ・スタディをもとに、資産の4%を取り崩す考え方、30年間の運用期間、対象となった米国市場データなどを解説した資料。
※「年間生活費の25倍」は、資産を毎年4%ずつ取り崩す考え方から逆算した目安です。将来の運用成果を保証するものではなく、税金、手数料、インフレ、為替、退職期間、資産配分などによって結果は変わります。


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