転職したいのに動けないあなたを止める「5つの心理ブレーキ」②

目次

「仕事はつらいもの」というフィルターを外せ

「恋愛はつらいものだ」

そう思っている人が、幸せな恋愛や結婚をするのは、なかなか難しいと思いませんか?

たとえば、付き合い始めたばかりの彼から、今日は連絡が来なかったとします。

恋愛はつらいものだと思っている人は、こう考えます。

「どうしたんだろう」
「私、何か悪いことを言ったかな」
「もしかして嫌われた?」
「やっぱり私は愛されないんだ」
「結局、恋愛ってつらい」

まだ彼から連絡が来ていないというだけです。

何が起きたのか、事実はまだ何も分かりません。

仕事が忙しいのかもしれない。

スマートフォンを見る暇がなかったのかもしれない。

疲れて寝てしまったのかもしれない。

でも、「恋愛はつらい」「私は愛されない」というフィルターを持っていると、連絡が来ないという出来事を、その考えが正しい証拠として受け取ってしまいます。

そして、不安になって何度もメッセージを送ったり、

「もう連絡をくれないならいい」
「あなたなんか知らない」
「どうせ私のことなんて好きじゃないんでしょ」

と、相手を責めたりする。

あるいは、傷つけられる前に自分から関係を終わらせてしまう。

本当は何も起きていなかったのに、自分の思い込みによって、恋愛を本当につらいものにしてしまうのです。

同じ出来事でも、フィルターが違えば意味が変わる

では、「恋愛は楽しいもの」「私は大切にされている」と思っている人なら、どうでしょうか。

彼から連絡が来なかったとき、

「あ、今日は忙しいのかな」
「じゃあ私は私の時間を楽しもう」
「見たかった連続ドラマを一気に見ちゃおう」
「週末に会うから、その前にネイルに行こうかな」
「エステも予約しちゃおう。楽しみ!」

そう考えるかもしれません。

彼から連絡が来ていないという事実は、どちらも同じです。

違うのは、その出来事を見るときに使っているフィルターです。

「恋愛はつらい」というフィルターを通すと、不安や拒絶に見える。

「恋愛は楽しい」というフィルターを通すと、自分の時間を楽しむ機会に見える。

私たちは、起きた出来事をそのまま見ていると思っています。

でも実際には、自分が持っている価値観や過去の経験、思い込みを通して出来事を見ています。

「仕事はつらいもの」と思っていませんか?

これは、仕事もまったく同じです。

あなたは、心のどこかでこう思っていませんか?

「仕事はつらくて当たり前」
「お金を稼ぐには我慢しなければいけない」
「給料が高い仕事は、その分大変に決まっている」
「楽しく働いている人なんて一部だけ」
「会社は社員を搾取するもの」
「どこへ転職しても結局同じ」
「好きな仕事では食べていけない」
「仕事なんだから、嫌でも我慢するしかない」

こうしたフィルターを持っていると、仕事で起きる出来事の中から「つらい証拠」ばかりを探すようになります。

上司の返事が短かった。

「やっぱり私は評価されていない」

新しい仕事を任された。

「また私にだけ仕事を押しつけている」

同僚から修正をお願いされた。

「私の仕事ができないと思われている」

条件の良い求人を見つけた。

「こんなに条件が良いなんて、きっと何か裏がある」

年収の高い仕事を紹介された。

「その分、ものすごく忙しくて、つらい仕事に決まっている」

まだ事実を確認していないのに、自分の「仕事はつらい」という考えに合うように、出来事を解釈してしまうのです。

脳は、自分の考えが正しい証拠を集める

人間の脳は、自分が信じていることに合う情報を見つけるのが得意です。

「私は運が悪い」と思っていれば、嫌な出来事ばかりが目につきます。

「私は人に嫌われる」と思っていれば、誰かの少し冷たい態度が強く記憶に残ります。

「仕事はつらい」と思っていれば、仕事の大変な部分ばかりが目に入ります。

一方で、

誰かに感謝されたこと。

以前はできなかった仕事ができるようになったこと。

自分の仕事が誰かの役に立ったこと。

同僚と笑ったこと。

給料によって、自分や家族の生活を支えられたこと。

仕事を通じて、新しい知識や経験を得られたこと。

そうしたものは、「仕事はつらい」という考えに合わないので、見過ごしてしまいます。

これが怖いところです。

「仕事はつらい」と信じていると、仕事の中につらさを見つける。

つらさを見つけると、「やっぱり仕事はつらい」と確信する。

そうやって、自分の思い込みを自分で強化していくのです。

10秒で分かる「脳が証拠を集める仕組み」

ここで、簡単な実験をしてみましょう。

今、あなたがいる部屋の中を見渡してください。

これから私が10秒数えるので、その間に、部屋の中にある赤いものをできるだけたくさん探して、数えてください。

準備はいいですか?

それでは、いきます。

1、2、3、4、5、6、7、8、9、10。

はい、終了です。

赤いものを、いくつ見つけましたか?

3個でしょうか。

5個でしょうか。

もしかしたら、10個以上見つけた人もいるかもしれません。

では今、自分が数えたものを、もう一度冷静に見てみてください。

本当に全部、赤でしょうか?

「これは、どう考えてもピンクじゃない?」

「これは赤というより、オレンジじゃない?」

「赤と言われれば赤っぽいけど、ちょっと茶色じゃない?」

そんなものまで、赤として数えていませんでしたか?

私が「赤いものを探してください」と言った瞬間、あなたの脳は、部屋にあるものの中から、赤に当てはまりそうなものを一生懸命探し始めました。

そして、明らかに赤いものだけでなく、

「これも赤に入れていいかな」
「これも少し赤っぽい」
「これも、赤と言えば赤かもしれない」

という、赤ギリギリのものまで集め始めます。

これと同じことが、私たちの日常でも無意識に起きています。

「私は愛されない」と思っている人の脳は、自分が愛されていないように見える証拠を探します。

「私は仕事ができない」と思っている人の脳は、自分が失敗した場面や注意された言葉ばかりを集めます。

そして、「仕事はつらいもの」と思っている人の脳は、仕事の中にある嫌なこと、苦しいこと、納得できないことを探し続けます。

本当は誰かに感謝されていても。

以前よりできることが増えていても。

仕事を通じて楽しい経験をしていても。

それらは、自分が信じていることと合わないため、意識に残りにくくなります。

反対に、少し忙しかっただけでも、

「ほら、やっぱり仕事はつらい」

上司の返事が少し短かっただけでも、

「ほら、やっぱり私は評価されていない」

条件の良い求人を見つけても、

「こんなに条件が良いなんて、絶対に何か裏がある」

と、赤ギリギリのものまで「赤」と判断したときと同じように、自分の思い込みに合う証拠として採用してしまいます。

だから大切なのは、自分が正しいと思っていることを、すぐに事実だと決めつけないことです。

あなたが今見つけた「仕事はつらい」という証拠は、本当に誰が見ても同じ事実でしょうか?

それとも、あなたの脳が「仕事はつらい」と証明するために集めてきた、赤ギリギリの証拠でしょうか?

一度、自分のフィルターを疑ってみてください。

あなたが何を探すかによって、同じ職場、同じ出来事、同じ一日から見つけられるものは変わります。

つらいものから、自分を守ろうとする

前回、人間は慣れた場所にとどまりたがるという話をしました。

それと同時に、脳は、自分が苦痛だと判断したものから私たちを遠ざけようとします。

「恋愛はつらい」と思っている人は、傷つく前に恋愛を避けるようになります。

「走るのは苦しい」と思っている人は、ランニングシューズを履くことさえ面倒になります。

そして、「仕事はつらい」と思っている人は、仕事に関する行動そのものを避けるようになります。

求人情報を見たくない。

職務経歴書を書きたくない。

転職エージェントと話したくない。

面接を受けたくない。

新しい仕事を覚えたくない。

責任のあるポジションに就きたくない。

給料交渉もしたくない。

だって、あなたの頭の中では、その先に「つらい仕事」が待っているからです。

もし、旅行先が絶対につらくて、苦しくて、嫌なことしか起きない場所だと分かっていたら、誰だってそこへ行きたくありません。

それと同じです。

「転職したいのに、なぜか行動する気になれない」という人は、転職活動の方法を知らないだけではないかもしれません。

心の奥で、

「転職しても、またつらい仕事が待っている」

と思っているのかもしれません。

「きつい」と「嫌い」は同じではない

私は、ジムでトレーニングをしています。

もちろん、トレーニングはきついです。

息が上がる。

筋肉が痛い。

途中でやめたくなる。

以前の私は、きついメニューを見たとき、

「大変だ」
「つらい」
「しんどい」
「こんなの無理」

と思っていました。

そう思いながらトレーニングすると、本当に体が重くなります。

まだできるのに、もう無理だと思ってしまう。

苦しさばかりに意識が向いて、トレーニングを楽しめない。

でも、あるときから考え方を変えました。

「うわ、すごいきつい!最高!」
「なんで、こんな意地悪なメニューを考えられるんだろう。天才じゃん!」
「これ、超面白い!」
「もっとやらせて!」

そうやって、きつさをゲームのように楽しむようになりました。

すると、同じトレーニングなのに感じ方が変わりました。

きついことは変わりません。

でも、「つらいから避けたいもの」ではなく、「自分を成長させてくれる面白い挑戦」に変わったのです。

その結果、トレーニングを続けられるようになり、HYROXのタイムも伸びていきました。

つまり、

大変なことと、不幸なことは同じではありません。

仕事にも、大変なことはあります。

新しい仕事を覚えるのは大変です。

今までより責任のある仕事を任されれば、プレッシャーもあります。

人と働けば、意見が合わないこともあります。

でも、

「大変な仕事」=「つらくて不幸な仕事」

ではありません。

大変だけれど面白い仕事もあります。

難しいけれど、自分の成長を感じられる仕事もあります。

忙しいけれど、仲間と一緒に達成する喜びがある仕事もあります。

責任は大きいけれど、その分、報酬や自由度が高い仕事もあります。

子どもの頃、走るのが嫌いだった

私は、子どもの頃、走ることが大嫌いでした。

学校では、自分の意思とは関係なく走らされます。

決められた距離を走らなければいけない。

遅いと人と比べられる。

苦しくても、途中でやめられない。

だから私の中では、

「走る=苦しい」
「走る=やらされるもの」
「走る=嫌なもの」

になっていました。

でも今の私は、走ることが大好きです。

自分で走る距離を決められる。

自分のペースで走れる。

友達と話しながら走れる。

少しずつ速くなるのがうれしい。

体が強くなっていくのが分かる。

大会という目標もある。

走るという行為は同じです。

変わったのは、「走ることの意味」です。

子どもの頃に作った「走るのは嫌い」というイメージは、一生変えられない事実ではありませんでした。

仕事についても同じです。

これまで経験した仕事がつらかったからといって、世の中にあるすべての仕事がつらいとは限りません。

あなたが嫌いなのは、本当に「働くこと」でしょうか?

それとも、

今の会社が嫌いなのでしょうか。

今の上司が嫌いなのでしょうか。

今の給料が嫌なのでしょうか。

長すぎる通勤が嫌なのでしょうか。

自分に合わない仕事内容が嫌なのでしょうか。

努力しても評価されない環境が嫌なのでしょうか。

「仕事が嫌い」と一括りにすると、自分に合う仕事まで見えなくなります。

本当につらい環境まで、考え方の問題にしなくていい

ここで勘違いしてほしくないのは、すべてをポジティブに考えればいいという話ではありません。

ハラスメントがある。

長時間労働で体を壊している。

正当な給料が支払われない。

人格を否定される。

恐怖で人を動かすような職場である。

そのような環境まで、

「私の考え方が悪い」
「もっと前向きにならなければ」

と我慢する必要はありません。

本当に危険な場所からは、離れていい。

今回見直したいのは、つらい環境を無理やり好きになることではありません。

過去のつらい経験から、

「仕事は全部つらい」
「会社は全部ひどい」
「転職しても全部同じ」

と、未来の選択肢まで閉じていないかということです。

今までの職場が、世界のすべてではありません。

あなたにとって「仕事」とは何ですか?

私たちは、仕事について無意識にたくさんのルールを持っています。

そのルールは、親から聞いた言葉かもしれません。

学校の先生から言われたことかもしれません。

最初に入った会社で学んだことかもしれません。

過去の上司や同僚との経験から作ったものかもしれません。

でも、そのルールは本当に今のあなたにも必要でしょうか。

仕事は、生活費を稼ぐためだけのものではありません。

自分の能力を使う場所にもなります。

新しいことを学ぶ場所にもなります。

人と出会う場所にもなります。

誰かの役に立つ場所にもなります。

自分の可能性を広げる場所にもなります。

そして、自分と家族の未来を守り、人生の選択肢を増やすための収入を得る場所でもあります。

「仕事はつらいもの」というフィルターを外したとき、あなたにはどんな働き方が見えてくるでしょうか。

今日のワーク

紙かスマートフォンのメモを開いて、次の文章を完成させてください。

質問1

私にとって、仕事とは「         」である。

考えすぎず、最初に出てきた言葉を書いてください。

つらいもの。

我慢するもの。

生活のために仕方なくするもの。

怒られないように頑張るもの。

人に認めてもらうためのもの。

あなたの中から、どんな言葉が出てきましたか?

質問2

その考えを、いつ、どこで身につけましたか?

親から聞いたのでしょうか。

最初の会社で経験したのでしょうか。

過去の上司に言われたのでしょうか。

一度の失敗を、すべての仕事に当てはめているのでしょうか。

質問3

その考えは、世の中にあるすべての仕事に当てはまる、100%の事実ですか?

楽しそうに働いている人は、本当に一人もいませんか?

今より良い給料と環境で働いている人は、本当にいませんか?

大変なことさえ楽しみながら、成長している人はいませんか?

例外が一人でもいるなら、それは絶対的な事実ではありません。

質問4

これから、仕事をどんなものだと考えたいですか?

たとえば、

「仕事は、自分の能力を使って人の役に立つもの」

「仕事は、自分と家族の選択肢を増やすもの」

「仕事は、人生を犠牲にするものではなく、人生を豊かにする手段」

「仕事は、大変なことも含めて成長を楽しむゲーム」

自分が採用したい、新しい仕事の定義を書いてみてください。

質問5

新しい仕事の定義を持ったあなたなら、今日どんな行動をしますか?

求人情報を一件見る。

楽しそうに働いている人の話を聞く。

自分が好きだった仕事と嫌いだった仕事を分けて書く。

「働きたくない」ではなく、「どんな働き方ならしたいか」を考える。

小さなことで構いません。

あなたが避けたいのは、仕事そのものではないかもしれません。

過去に経験した、つらい働き方をもう一度繰り返すことが怖いだけかもしれません。

でも、これからも同じ働き方を選ばなければならないという決まりはありません。

過去の仕事がつらかったからといって、未来の仕事までつらいと決めなくていい。

「仕事はつらいもの」というフィルターを、今日一度外してみてください。

そのフィルターの向こうに、今まで見えていなかった仕事や働き方があるかもしれません。


次回は、3つ目の心理ブレーキ、

「それは事実?それとも思い込み?行動を止めるリミティングビリーフ」

についてお話しします。

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約2年半でFIREした完全動画講義 FIREママのリアル資産ポートフォリオ公開 海外FIRE本3冊まとめeBook AI FIRE診断 お金の不安をなくす5Days動画講座 FIREできないNG習慣チェックリスト FIREする人の成功習慣チェックリスト
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この記事を書いた人

ニュージーランド在住。投資開始から約2年半でFIREを達成。これまで600名以上の女性に、お金・投資・人生設計について教えてきました。

このブログでは、女性の老後資金、資産形成、FIRE、海外生活、キャリアについて、実体験と公的データをもとに分かりやすく発信しています。

お金の不安を減らし、自分らしい人生を選べる女性を増やすことが私のミッションです。

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