転職したいのに動けないあなたを止める「5つの心理ブレーキ」③

目次

確実になるまで待っていたら、可能性はゼロのまま

人は、不確実なことが苦手です。

英語では、不確実な状態を uncertainty、確実な状態を certainty といいます。

「絶対にうまくいく」

「断られない」

「失敗しない」

「この会社には必ず採用される」

そう分かっていれば、行動するのは簡単です。

でも、現実には、やってみるまで結果が分からないことのほうが多いですよね。

だから怖くなります。

「失敗したらどうしよう」

「断られたら恥ずかしい」

「応募して、返事が来なかったら傷つく」

「頑張ったのに結果が出なかったら嫌だ」

そう考えて、確実になるまで待とうとします。

でも、ここに大きな落とし穴があります。

行動する前に、結果が確実になることはほとんどありません。

絶対に付き合えるなら、告白できる

たとえば、あなたの目の前に、すごく素敵な人がいるとします。

その人のことが好きで、できれば付き合いたい。

しかも、

「この人に告白すれば、絶対に付き合える」

と分かっていたら、告白できると思いませんか?

もちろん少しは緊張するかもしれません。

でも、絶対に成功すると分かっているなら、かなり動きやすくなります。

では、相手の気持ちがまったく分からなかったらどうでしょう。

「断られるかもしれない」

「今の関係まで壊れるかもしれない」

「私だけが好きだったら恥ずかしい」

「もう会えなくなるかもしれない」

そう考えると、急に聞くのが怖くなります。

そして、

「今はまだタイミングじゃない」

「もう少し相手の様子を見てから」

「向こうから言ってくれるかもしれない」

と、何もしない理由を作り始めます。

でも、聞かなければ、付き合える可能性は上がりません。

相手があなたを好きになる可能性がゼロだったとは限らない。

ただ、聞かなかったことで、自分から可能性をゼロに近づけてしまったのです。

確実性がないから動かない。それでは何も始まらない

私たちは、行動するために確実性を求めます。

でも、本当の順番は逆です。

確実だから行動するのではなく、行動することで情報が増え、少しずつ確実性が上がっていく。

転職も同じです。

応募する前に、

「この会社には絶対に採用される」

と分かることはありません。

転職する前に、

「この会社なら絶対に幸せになれる」

と証明することもできません。

面接を受ける前に、

「必ずうまく話せる」

という保証もありません。

最初から100%の確実性を求めていたら、永遠に動けません。

必要なのは、

「絶対に成功する」という保証ではなく、

うまくいく可能性が少しでもあるなら、自分ができる行動を増やしてみよう

という考え方です。

HYROXのリレーで、4人目が来られなくなった

最近、私自身にも、まさにこの話と同じことが起きました。

HYROXには、4人で出場するリレーがあります。

私たちのチームは、2人の親友ガールズが日本から来て、3人目が私。

そして、4人目のメンバーも決まっていました。

ところが、その4人目が急遽、来られなくなってしまったのです。

HYROXのリレーは4人必要です。

3人では出場できません。

すでにチケットも取っています。

参加費、約10万円を払っています。

日本から来る友達もいます。

つまり、4人目が見つからなければ、全員が出場できない。

チケット代も無駄になる。

もう、探すしかありません。

でも当然、

「断られたらどうしよう」

という気持ちはあります。

HYROXに出たことがない人なら、不安になるかもしれません。

「そんな大変そうな大会、無理」

と思われるかもしれません。

それでも、聞かなければ4人目は見つかりません。

一人目に断られた。でも、そこで終わりではない

まず、ジムの友達のエリンに聞いてみました。

結果は、ダメでした。

次に、以前一緒にHYROXのダブルスへ出たことがある、オーストラリアに住んでいる女の子にも聞きました。

これも、ダメでした。

もちろん、断られると少し残念です。

でも、一人に断られたからといって、

「ほら、やっぱり誰も来てくれない」

と決める必要はありません。

一人目がダメだった。

それなら、二人目に聞く。

二人目もダメだった。

それなら、三人目を探す。

断られるたびに、私の価値が下がったわけではありません。

相手に予定がある。

大会に興味がない。

トレーニングの予定が合わない。

旅行できない。

断る理由はいくらでもあります。

「NO」は、私という人間への判決ではありません。

その人には、今回は合わなかった。

ただ、それだけです。

まだ2回しか一緒に走っていない友達に聞いてみた

次に、パーソナルトレーナーの友達へ聞こうかと思いました。

でも、そのとき、

「あ、私にはランニングの友達がいるじゃん」

と思い出しました。

ただし、その友達とは、まだ2回くらいしか一緒に走っていません。

恋愛にたとえたら、まだ2回目のデートくらいです。

そんな相手に、

「一緒にHYROXのリレーに出ませんか?」

とお願いする。

しかも、相手はHYROXがどれだけ大変な競技かを知っています。

普通に考えたら、断られる可能性もあります。

少し迷いました。

でも、私は「どうしようかな」と頭の中で考え続けるのではなく、ランニングをしながら、きちんと説明しました。

「今から少し、プレゼンさせてください」

そして、こう伝えました。

  • HYROXのリレーに一緒に出てほしい
  • 費用を払う必要はない
  • 送り迎えもする
  • タイムを追いかける必要はない
  • できる範囲で助けてくれればいい
  • もちろん、嫌だったらいつでも断っていい

無理やり説得したわけではありません。

相手が不安に思いそうなことを考えて、一つずつ説明しました。

つまり、ただ行動量を増やすだけでなく、相手がYESと言いやすくなるように、行動の質も上げたのです。

すると彼女は、

「え? いいよ」

と言ってくれました。

YESをもらえたのです。

最初からYESが分かっていたわけではない

私には、彼女がYESと言ってくれる保証はありませんでした。

断られる可能性もありました。

実際、その前に二人から断られています。

でも、もし私が、

「まだ2回しか一緒に走っていないから、頼んだら迷惑かも」

「断られたら気まずくなるかも」

「HYROXなんて嫌だと言われるかも」

と考えて、何も聞かなかったらどうなっていたでしょう。

彼女からYESをもらえる可能性は、ゼロでした。

不確実な状態でも聞いたから、YESが生まれました。

この話は、HYROXだけの話ではありません。

転職も、恋愛も、ビジネスも、人間関係も同じです。

結果が分からなくても、聞いてみる。

一人がダメなら、次の人に聞く。

ただ同じお願いを繰り返すのではなく、相手の不安を考えて、伝え方を改善する。

行動量と行動の質を上げることで、実現する可能性も変わります。

実現可能性は、自分の行動で上げられる

夢や目標が実現する可能性を、分かりやすく式にすると、こうなります。

実現可能性=自分の行動量と行動の質×自分では決められない外部の機会

左側にあるのは、自分で変えられることです。

  • 何人に聞くか
  • 何回挑戦するか
  • どこまで調べるか
  • どんな言葉で伝えるか
  • 相手のメリットや不安をどれだけ考えるか
  • 失敗のあとに何を改善するか
  • どれくらい継続するか

右側にあるのは、自分では決められないことです。

  • 相手がYESと言うか
  • 会社が採用するか
  • 求人が出るか
  • 景気がどう動くか
  • 会いたい人が近くに来るか
  • 欲しい機会がいつ現れるか

右側を完全にコントロールすることはできません。

でも、左側は変えられます。

ビル・ゲイツに会いたいとしたら?

たとえば、私に、

「ビル・ゲイツに会いたい」

という夢があったとします。

私はニュージーランドのオークランドに住んでいて、子どももいるので、世界中を自由に追いかけることはできません。

ビル・ゲイツがオークランドに来るかどうかは、私には決められません。

でも、自分の行動は変えられます。

一人の友達に、

「私、ビル・ゲイツに会いたいんだよね」

と話す。

10人に話す。

100人に話す。

知り合いの中に、Microsoftで働いている人とつながっている人がいないか聞く。

LinkedInで関係者を探す。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団の公開活動を調べる。

ビル・ゲイツが参加するイベントやサミットを調べる。

彼の発信をチェックして、ニュージーランドやオーストラリアを訪れる予定がないか確認する。

ビル・ゲイツがオークランドへ来る可能性は、私にはコントロールできません。

でも、会える接点を増やすことはできます。

説明のために、外部の機会を「1」、自分の行動を「1」と仮定します。

何もしなければ、

1×1=1

です。

でも、人に話し、つながりを探し、イベントを調べ、自分の行動量と行動の質を「30」まで上げたら、

30×1=30

というイメージになります。

これは、本当の確率を計算しているわけではありません。

行動を30倍にすれば、必ず30%で会えるという話でもありません。

ただし、何もしない場合より、接点と可能性が増えることは分かります。

反対に、

「どうせ会えるわけがない」

と何もしなければ、自分側の行動はゼロです。

0×1=0

外部にどれだけ小さなチャンスがあっても、自分が何もしなければ、そのチャンスと接触できません。

転職も「確実になってから」では動けない

転職活動を始める人の多くが、こんな確実性を求めます。

「応募したら採用されると分かってから応募したい」

「年収が必ず上がると分かってから動きたい」

「人間関係の良い会社だと確認してから転職したい」

「自分が条件を全部満たしてから求人を探したい」

でも、応募前に採用が確定することはありません。

入社前に、会社のすべてが分かることもありません。

面接を受ける前に、自分が完璧に話せるという保証もありません。

必要なのは、100%の確実性ではありません。

  • 求人を一件見る
  • 一社応募する
  • 一人に相談する
  • エージェントと話す
  • 会社について調べる
  • 履歴書を改善する
  • 面接の練習をする
  • 断られたら、次の会社に応募する

こうして、自分側の行動量と行動の質を上げていく。

会社があなたを採用するかどうかは、会社が決めます。

でも、会社と出会える回数を増やすことはできます。

自分の価値が伝わる履歴書を作ることもできます。

面接での伝え方を改善することもできます。

条件の良い会社へ応募することもできます。

自分で変えられないことばかり見て、自分で変えられる行動まで止める必要はありません。

今日のワーク

今、あなたが、

「やってみたいけれど、結果が分からないから動けない」

と思っていることを一つ書いてください。

次に、紙を左右に分けます。

左側:自分で変えられること

  • 行動する回数
  • 調べる量
  • 相談する人数
  • 伝え方
  • 準備
  • 練習
  • 改善
  • 継続

右側:自分では決められないこと

  • 相手の返事
  • 会社の判断
  • 景気
  • タイミング
  • ほかの応募者
  • 求人の有無

そして、自分に聞いてください。

私は、自分では決められない右側を怖がって、自分で変えられる左側までゼロにしていないだろうか?

次に、24時間以内にできる行動を一つ決めます。

求人を一件見る。

一人に相談する。

履歴書を開く。

応募条件を調べる。

聞いてみたかった人に、メッセージを送る。

断られても構いません。

断られたら、可能性がなかったことが分かります。

でも、聞かなければ、可能性があったかどうかさえ分かりません。

確実になるまで待つのではありません。

不確実な状態でも、自分ができることを一つ増やす。

それが、実現可能性を上げるということです。


次回は4つ目の心理ブレーキ、

「どうせ無理」はどこから来た?リミティングビリーフを壊す方法

についてお話しします。

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この記事を書いた人

ニュージーランド在住。投資開始から約2年半でFIREを達成。これまで600名以上の女性に、お金・投資・人生設計について教えてきました。

このブログでは、女性の老後資金、資産形成、FIRE、海外生活、キャリアについて、実体験と公的データをもとに分かりやすく発信しています。

お金の不安を減らし、自分らしい人生を選べる女性を増やすことが私のミッションです。

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